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スーパーボルト社の歴史

人間の手で締め付けられないサイズのボルト/ナットを、ぐるりと配置した小さなジャックボルトを締めて行くことで締結する。この革命的なアイデアで太径ボルト締結作業に安全性・確実性、そして作業効率をもたらしたスーパーボルト。このアイデアはどのように生まれ、どのように世界中へ広まって行ったのでしょうか。

1974年、米国のシュタインボック・マシナリー(Steinbock Machinery)社は、米国内の製鉄大手USスチール社より、鋼管製材設備に使用される新型の金属裁断機の設計・製造を委託されました。旧型の裁断機は毎日数本の裁断ブレード交換を要しており、2, 3週間に1度の割合で故障していたのです。

当時のシュタインボック・マシナリー社の社長 ロルフ・シュタインボックは、旧型が抱えていた問題を大きく低減することができました。日課となっていたブレード交換は週に1度で済むようになりましたが、厄介な問題が1つ、残されていました。裁断機は運転中常に回転しているため、ボルトが緩んでしまうのです。保守作業に当たる作業者たちは、この人間の力では締め込むことができないサイズのボルトを増し締めするため、ルーティン作業として緩んだボルトに巨大なレンチを引っ掛け、スレッジハンマーを叩きつけて増し締め作業を行う必要があったのです。これが大きな問題でした。

ある日、またボルトが緩んでいるという現場へ足を踏み入れた時、ロルフ・シュタインボックは突然閃きます。

 

「この大きなボルトを締め込むトルクを、いくつかの小さなトルクに分散させられないか?」

 

シュタインボックはすぐに、5/8インチ(15.875mm)の小さなボルトが頭部にぐるりと配置された2インチ(101.6mm)のボルトのスケッチを描いてみました。また、その下には小さなボルトの圧力から相手材を保護するために硬度を上げた特殊なワッシャーが描かれていました。

このアイデアに感心したUSスチールの保守作業者たちは、ボルトに加工を施してシュタインボック氏のアイデアを形にし、試験を重ねた上で製品に採用することになりました。以降、この独特の形状を持った5/8インチの大きなボルトが緩みを起こすことはなく、エンドユーザーはメンテナンスコストを大きく圧縮できるため、この製品をいたく気に入りました。

本格的にこの特殊なボルトが製品として採用されたことを受け、シュタインボックはジャックボルトの作用を再度深く研究・確認し、製品を改良しました。そしてこの製品の機構で特許を取得し、「スーパーボルト」と名付けたのです。

新たに生まれたこの「スーパーボルト」という製品は、旧来のボルト・ナットからそのまま入れ替える形で取り付けることができ、重工業分野で当たり前と思われていたボルト締結の課題の殆どを解決してしまいました。シュタインボック・マシナリー社は、スーパーボルトによって急成長し、やがて一族総出で会社を切り盛りするようになります。ロルフ・シュタインボックは彼の2人の息子、ロバートとアランを会社に引き入れ、この2人の下で会社は更なる成長を遂げて行きます。

 

2001年にロルフ・シュタインボックが逝去した時、ロバートとアランは10年前と比べて事業規模を3倍に拡大していました。

1988年には、ロルフ・シュタインボックとゲルト・プロークの2人は、スイスのロイターズヴィル(Rüeterswil)にP&S フォルシュパンシスティーム社(P&S Vorspannsysteme AG)を設立しました。設立当初、オフィスはプロークの自宅を使用し、社内の経理はプロークの妻に任せられ、設計や製造業務はガレージで行われていました。

この頃からスーパーボルトは、ヨーロッパからライセンス生産のオファーを受けるようになりました。ほどなくしてP&Sの共同創設者であり筆頭株主であるゲルト・プロークの息子、ロバート・プロークがP&Sに加わり、1993年にはスイスのザン・ガレンカペル(St. Gallenkappel)にあるオフィスビルに事業を拡大し、移転を果たしました。2005年には高品質なマルチ・ジャックボルトテンショナーを量産するために新たな工場が建設され、更に2011年には工場建屋の拡張工事が必要になりました。

2011年、ノルトロックグループは米国スーパーボルト社とスイスのP&S フォルシュパンシスティーム社(現在のノルトロックAGとしてスイスで営業中)を買収し傘下に迎え、今日でもスーパーボルトはこの2箇所のみで生産されています。この40年に亘る歴史のおかげで、スーパーボルトは主に北米と欧州をはじめとする世界中の主要産業において、誰でも確実・簡単に締結でき正確な軸力で締結ができる高品質な締結部材として知られるようになっています。

ノルトロックグループとスーパーボルトの運命的な出会いは、世界中のありとあらゆるボルト締結の課題を解決する画期的なイノベーションを確立し、今日もあらゆる国と地域で安全性・確実性、そして生産性の維持向上に貢献し続けています。