BOLTED

完璧なボルト締結を目指す

All posts for the tag “Nord-Lock”

【採用事例】トラクターのエンジン支持部

4 1月 2018
comment

テキスト: エキン・カリシール

写真: ハタット

例え起伏の激しい大地でも

※本記事はBOLTEDマガジン 2017年第2号に掲載されたものです

顧客:ハタット・トラクテョル社
出力馬力レンジ: 50-102馬力
ロケーション:トルコ テキルダー地方 シャルケスキョイ
ノルトロック製品:ノルトロックワッシャー(NL8、NL10)
供給製品: 農業用トラクター

 

タフな環境であればある程、マシンの耐久性と信頼性が顧客を助ける。トルコのハタット・トラク

テョル社は、およそ20年に及ぶ歴史をもつ農業機器メーカーとして、そのことを熟知しています。

同社の顧客は長い間日常的に、でこぼこした起伏の激しい土地で、限られた時間とも闘いながら

生産性を維持しての作業を余儀なくされています。そのため同社の農機は振動や衝撃を繰り返し受け

続ける過酷な環境に耐え得るものでなくてはなりません。

本年2017年初頭、ハタット・トラクテョル社が新モデルのトラクターをテストしていたところ、

エアコンプレッサ・エンジンを支えるブラケット部のボルトが振動で緩んでしまっていることに気が

付きました。同社の分析によると、この問題はブラケット部の設計変更で対応できるという結論が

出ましたが、それはコスト面でも組立工程の面でも現実的ではなく、より強度区分の高いボルトを

使用して高軸力で締結する案も検討されましたが、それも良い案とは言えませんでした。

 

ここから同社の新しいソリューション探しが始まります。様々な製品を取り寄せ、評価試験を繰り

返して研究を行った結果、ノルトロックワッシャーを使用することで高コストな設計変更が避け

られる可能性があることが分かりました。

ノルトロックの評価試験を行う中で、ノルトロックワッシャーはこの問題を十分に解決でき、尚且つ

ブラケット部の設計変更を行うよりも 遥かに安値で対応できることが立証されま した。ノルト

ロックワッシャーを採用したこと で振動によるボルトの緩みとは無縁となっ たハタット・トラク

テョル製のトラクター。そのユーザーは今、どれだけ悪条件な土地であっても、同社の赤いトラク

ター に全幅の信頼を置き、毎 日の農作業に汗を流しています。

【採用事例】ガントリークレーン:ノルトロック

4 12月 2017
comment

テキスト: ロクサーナ・オリッツ

写真: パチェコ社

港にそびえる「巨人」

※本記事はBOLTEDマガジン 2017年第2号に掲載されたものです

 

顧客: パチェコ・エスパーニャSA社(スペイン)
供給製品: 港湾クレーン、ヤードクレーン、その他コンテナの揚げ降ろし関連設備
設立:1967年
主要株主:三井グループ、ウルーサS・コーポレーション
ノルトロック製品:ノルトロックワッシャーM20(NL20)

 

クレーンやコンテナの揚げ降ろしに関するサービスや設備を供給する企業として、スペインの

パチェコ・エスパーニャ社には、その顧客のニーズに応える義務があります。船舶の大型化に

よって、港湾クレーンやヤードクレーンもそれに合わせて大型化し、稼動効率を確保する必要が

ありました。現在、パチェコ・エスパーニャ製のクレーンは、25列のコンテナの揚げ降ろしが

行えます。パチェコは今、 PORTAINER MALACCAMAXという最大72.5Mものリーチ、スプレッダ

下の最大高52.5M、レールスパン30.48Mの、世界最大級にして最高効率のクレーンを供給して

います。

 

パチェコ・エスパーニャは2009年、同社が港湾クレーンに課題を抱えていた時期にノルトロックと

出会いました。その課題とは、最大積載荷重65トンのクレーン足元にあるガントリー・リデューサー

(クレーンをドックに移動させる装置のギアボックス)の固定でした。稼動中に、ボルトが振動で

緩んでしまうのです。

パチェコ・エスパーニャのエンジニアが繰り返し発生する問題の原因究明に着手した頃、同社は協議

の結果、初めてノルトロックに相談することにし ました。ノルトロックからの原因分析と対策の

提案を、パチェコ・エスパーニャは喜びと驚きをもって受け止めることになります。「私たちは

2009年から継続的にノルトロックワッシャーを使用しています。 あの時以来、ボルトが振動で

緩んだことはただの 一度もありません。」同社エンジニアのペラーヨ・ボベス氏はノルトロックへ

の信頼をこのように表現してくれました。「ノルトロックのおかげで、私たちは クレーンの維持費

とメンテナンス時間を共に大きく削減でき、完璧に顧客を満足させられるクレーンを供給できる

ようになったんです。」

【技術記事】鉄製ボルトにSUSのワッシャー?

3 10月 2017
comment

テキスト: アンダース・ブロムクヴィスト

正しい材料の組合せって?

※本記事はBOLTEDマガジン 2017年第2号に掲載されたものです

 

Q: ステンレスのノルトロックワッシャーを鉄(鋼)のボルトに使用できますか?

A: イエス。ねじのピッチにおいて、ステンレス製ボルトと鉄(鋼)製ボルトに違いは無いので

「ノルトロックの機能上は」使用できます。ですが、最善の方法は全てのパーツを同じ材質で統一

して締結することです。なぜなら、もし、ステンレス製のノルトロックワッシャーを強度区分 10.9

や 12.9 といった鉄製の高強度ボルトに使用した場合、強度の違いによってワッシャーが変形して

しまう恐れがあります。ステンレス製ワッシャーは表面層だけを硬化させており、高強度の鉄製

ボルトを高軸力で締結すると、ワッシャー内部の比較的軟らかい部分が塑性変形を起こす可能性が

あるのです。ノルトロックステンレス製ワッシャーの機械的性質として、鉄製の強度区分 8.8 相当の

強度となるため、強度区分8.8 かそれ以下の鉄製ボルトには、ノルトロックステンレス製ワッシャー

は問題なくご使用いただけるでしょう。

 

もう一つ、忘れてはいけないことがあります。ノルトロックステンレス製ワッシャーと鉄製ボルトの

組合せを設計する場合、特に「ガルバニック腐食」と呼ばれる異種金属間の電位差による腐食

(通称:電食)に配慮しなければなりません。ガルバニック腐食は、異なる金属材料が水を含めた

通電性のある液体中で接すると発生し、金属を劇的に劣化させてしまいます。ガルバニック腐食が

起こると、一方の金属はアノード電極(電池で言うプラス極)となって腐食スピードが加速され、

他方はカソード電極(電池で言うマイナス極)となり通常より腐食スピードは遅くなります。ノルト

ロック鉄製ワッシャーには、この原理を応用したデルタプロテクト(亜鉛フレークコーティング)が

施されています。

 

エキスパートに相談しよう!
ボルト締結について困っていることはありませんか?
ノルトロックのエキスパートがお悩みに迅速にお答えします。
ボルト締結のお悩みは、experts@nord-lock.comまでお問い合わせください!

【ニュース】BOLTEDマガジン最新号!

BOLTEDマガジン 2017年第2号
先行ダウンロード開始

2017年9月号のBOLTEDマガジンが発刊!ボルト締結の「今」をお届けいたします。

 

今号のBOLTEDではいつものボルト締結とは少し角度を変えて、可動部の摩耗にスポットを当てて

います。どういったメカニズムで可動部の摩耗は発生し、現在それに対してどのような解決策がある

のか。またそれらはどの程度効果があるのか。それらを徹底検証して行きます。

 

具体的な事例では、デンマークで砕石・解体・廃品リサイクルに関わる重機部品を取り扱うヴィゴ・

ベンツ社での事例を交え、可動部の摩耗を完全解決するエクスパンダー・システムを詳細に解説

いたします。また、「超」が付くほど厳重に密封保護する必要のある放射性物質輸送用コンテナでの

ノルトロックワッシャー採用事例や、先日発表となったボルト締結業界で世界初となるライフタイム

ワランティのお話もCEOのオーラ・リングダウルから語られます。今号も是非、お楽しみください。

 

※BOLTEDマガジンは現在下記の9カ国語でお楽しみいただけます

 

ノルトロックグループが発行するボルト締結の専門誌「BOLTEDマガジン」無料購読は以下より
お申込いただけます。

 

【エキスパート】疲労強度向上のための考察

29 8月 2017
comment

テキスト: ズハイール・チャイブ

※本記事はBOLTEDマガジン 2015年第2号に掲載されたものです

 

Q: ボルト締結体の疲労強度向上のために、どのような点に注意すべきでしょうか?

 

A: ボルト締結体の疲労強度は、その静的強度と比較すると非常に小さなものです。疲労強度向上の

ために設計者ができることとして、ねじ部の強度向上、そしてねじ部にかかる応力の軽減があります。

まずねじ部の強度向上という点ですが、これは切削ねじではなく転造ねじの使用をお勧めします。

また、ねじ部への応力軽減という点については、ボルト径を上げて少数のボルトで締結するのでは

なく、ボルト径を下げてボルト本数を増やしてください。これによってボルトの本数分、応力が

分散されるためです。

 

ボルト締結体の疲労強度は、スーパーボルトやフレックスナットのような、ねじ部への応力を分散し、

締結部に弾性を与える事のできる締結部材を使用することでも向上できます。疲労限度向上のために

最善の方法は、ねじ部のどこか特定の地点への応力集中を避けることです。これには主に3通りの方法

があります。応力集中を設計レベルで避ける方法、締結作業レベルで避ける方法、そして締結体に

緩みが発生することを避けることで応力集中を避ける方法です。

設計レベルでは、ボルト締結部の応力分散や、締結体への外力を軽減するよう配慮することで疲労強度

の向上に繋がります。これにはちょっとしたコツがありますので、以下を覚えておいてください。

 

  1. 軸力を可能な限り高く設定する
  2. できるだけボルト径を小さく、ボルト本数を多くして、応力を分散させる
  3. 締結部材の相手材への接地面積を可能な限り大きくする
  4. ボルトの締結長さを可能な限り長くする
  5. 可能な限り常に、かかる外力以上の軸力を保持する

 

設計レベルでの疲労強度向上策には、他にも金属のなじみ、クリープ、熱による膨張収縮サイクル等

による非回転緩みに対抗できる弾性部材(ノルトロックXシリーズワッシャー等)の使用等があり

ます。締結作業に関しては、必要な軸力を確実に得ることが最も重要です。締結体が十分な軸力を

保持して相手材と固定されている限り、応力は1点に集中することなく分散されて行くからです。

締結精度を確保するためには、校正済みの工具を使うことも大切です。また、得られる軸力の精度を

向上するには、摩擦係数を低く抑えてバラつきを安定させるために各締結体に合った潤滑油を使用

することもお薦めいたします。これは勿論、ねじ部のかじり防止という点でも役立ちます。

摩擦係数のバラつきは、同じトルクで締結しても軸力がバラついてしまうことを意味します。望ましい

作業手順があってこそ、完璧なボルト締結が実現できるという点を常に忘れないでください。

 

最後に、締結部の軸力保持という点については、緩みからボルト締結体を守るという1点に尽きます。

先ほど潤滑油をお薦めしましたが、中には潤滑油を使用することで緩みやすくなるのではないか、

という懸念を抱く方もいるでしょう。当然です。しかし、締結体にかかる外力を軸力が上回っていれ

ば、つまり締結体が緩む環境に無ければ、潤滑油によって摩擦係数が下がっていても関係なく、緩み

が起こることはありません。発生し得る外力が想定し切れない場合は、ノルトロックワッシャーの

ように摩擦に左右されない機構を持った緩み止め製品を使用することで保険をかけることもできます。

(トルクと摩擦、軸力の関係については工学博士・酒井智次先生のインタビュー記事に詳細)

また、疲労耐性という点では締結体を疲労亀裂の原因となり得るサビ・腐食から保護することも重要

で、これは適正な材料やコーティングの選定によって担保できるでしょう。

 

エキスパートに訊く
ボルト締結の安全性についてお悩みはありませんか?
ノルトロックのエキスパートにご相談ください。
ご相談・ご質問は、experts@nord-lock.comにて承ります。

 


 

quizz

BOLTEDクイズ(BOLTEDジャーナル #.024)解答

 

Q:今回のクイズは「BoltingTIPS」で取り上げた、ボルトの破壊に関する問題です。今回のTIPSではいろいろな種類の破壊をご紹介しましたが、そのうち「静的破壊」への対策として正しいものはどれになるでしょうか?

A:下の選択肢から正解を選んでくださいね。

1.ボルトの強度区分を上げる
2.ボルトの強度区分を下げる
3.ボルトの緩みを解決する

分かるかな?( *´艸`)

 

答え:1

 

ボルトの「静的破壊」の原因は、想定していなかったような大きな外力(ボルトの最大引っ張り強さ

以上の外力)がボルトに伝わることでしたね。そのため設計レベルでは、これまで見落としていた

大きな外力は無かったか、その想定外の外力はどの程度の大きさなのかを把握する必要がありますが、

ボルトの強度区分を上げて(一般的な4.8のボルトなら8.8や10.9に)、ボルトの最大引っ張り強さを

向上させることが解決策になり得ますね。「3」で触れたように緩みが原因になるものは静的破壊

ではなく「疲労破壊」でした。わかったかな?

 

/FIKA

世界中の鉄道を支えるノルトロック

どれだけ過酷な振動でも
物理的に緩みを許さない唯一の製品

※本記事は、Boltedマガジン2017年第1号に掲載されたものです

 

20数年前に車両に初めて採用されたノルトロックのウェッジロックワッシャーは、世界中の鉄道業界

において、台車・連結器・ブレーキシステム・艤装・保線・枕木等ありとあらゆるボルト締結で使用

されています。

それは、ノルトロックワッシャーが列車運行による過酷な振動環境下でもボルト・ナットの締結力を

確実に保持できることが、その実績によって証明されているからです。例えば、絶えず列車の大きな

荷重と風雨風雪に晒され続ける線路上の分岐器は高度で複雑な構造をもっていますが、最小限の

メンテナンスで最大限長期間に渡って使用できるものでなければな りません。

 

ノルトロックSC(Steel Construction)ワッシャーは、鉄道会社が保全作業による列車遅延や運休で

生じる機会損失を避けるために使用されています。経年劣化による損傷が激しくなった橋梁の補修・

架替工事を行う際、現場に仮設橋梁を建設して列車運行を確保しますが、この鉄骨製の仮設橋梁には100%確実 なボルト締結が不可欠です。従来であれば、このようなボルト 締結は巨大な外力に負け

ないよう相当に大きな軸力を発生させる必要がありますが、ノルトロックワッシャーを使用すること

でボルトや相手材の耐力目一杯の軸力を発生させる必要がなくなる場合もあります。

 

また、架線柱や信号機柱も、列車の通過による風圧や振動に耐えなければなりません。軌道上の支柱

本数は当然ながら 非常に多く、信頼性の高いボルト締結によってメンテナンス回数やコストを最小限

に抑えることは極めて重要です。

そしてノルトロックXシリーズワッシャーは、その形状によ って戻り回転を起こす回転緩みだけ

でなく、相手材のなじみや塑性変形による回転を伴わない非回転緩みにも同時に対応する唯一の製品

です。なじみの影響が大きい締結長さの短いボルトや、樹脂等の非金属やアルミ等の軟金属との締結

でも、ボルト締結の安全性を更に一段上のレベルへと高めることができます。

 

Xシリーズワッシャーの直近の事例として、線路沿いの防音 壁が挙げられます。2030年までには

ドイツ国内だけでも、列車通過による過酷な振動や風圧に晒される防音壁3,000kmに及んで

Xシリーズワッシャーが取り付けられる予定です。コンクリ ート用ボルトとXシリーズワッシャーの

組み合わせは、元々は防音壁を設置する仕様にはなっていなかった既設橋梁にも、防音壁の建設を

可能にしています。

【採用事例】ラジコン飛行機エンジン部の固定

29 6月 2017
comment

テキスト: チャド・ヘンダーソン

※本記事は、Boltedマガジン2017年第1号に掲載されたものです

マレーシアのサラワク北東にあるミリという沿岸部の町で空を見上げると、ノルトロックワッシャー

がラジコン飛行機に乗 って空を飛んでいる姿が見られるかも知れません。この個人向けラジコン飛行

機は、ビョンド・ホライゾン社によって販売されているものですが、同社はドローンを使って企業

向けに写真や動画の空撮を行っている会社でもあります。

「ドローンと違い、当社のラジコン飛行機はガソリンエンジンを積んでいます。」とビョンド・

ホライゾン社のファズリ氏は自社製品を解説してくれました。「ガソリンエンジンは振動が激しく、

トラブルが付き物です。フレームが木製で、エンジンとその周辺部は鉄製なのですが、それらを締結

するボルトが、たった4~5回のフライトで緩んでしまうんです。」

 

ファズリ氏は同社のラジコン飛行機は構造上、エンジン部付近を修理するのがとても難しく、その

ためボルトの緩みは大変な問題だったのだと言います。しかし、ファズリ氏の友人にノルトロックの

販売を行うマユラ・エンジニアリングに勤務する方がおり、ファズリ氏に奨めてくれたのだそうです。

「試しに1箱買ってみようかという気持ちで頼んだんですが、今では飛行機を組み立てる時に私の方

が自社のお客様全員に奨めていますよ。」とファズリ氏は笑います。「ノルトロックワッシャーを

使えば増し締めをする必要が全くなくなり、エンジンもずっと元の場所にキープされます。もし

ボルトが外れて飛行機から鉄製のエンジンが落っこちて来たりしたら、それはもう大問題ですから

ね。」

ファズリ氏はラジコン飛行機を販売しているだけでなく、彼自身もラジコン飛行機の愛好家です。

「1997年からやってます。趣味でね。面白いですよ。週末にのんびりとラジコン飛行機を飛ばして

いると、まるで本物の飛行機に乗って空を飛んでいるような、何とも言えない良い気分になるんです。

あなたも1台、いかがですか?」

【電力事例】:潮力コンバータフレームの締結

31 5月 2017
1 comment

テキスト: Nic Townsend

コルパワー・オーシャン社が挑戦する潮力発電

波の動きを電力に変えて

※本記事は、Boltedマガジン2017年第1号に掲載されたものです

 

次世代エネルギー。地球の表面の70%が海で覆われていることを考えれば、潮力は巨大な可能性を

秘めた未開発のエネルギーソースだと言えます。問題は、殆どの潮力コンバータがどうしようもない

程大きく高価で、実用化の目途が立っていないことです。しかしスウェーデンのコルパワー・オー

シャン社なら、この問題を解決できるかも知れません。

同社のコンパクトな潮力コンバータは、波の周期的な動きに伴って稼働し、その力を増幅して電力に

変換します。コルパワー・オーシャン社の設立者で心臓専門医であるスティグ・ランドベック氏は、

人間の心臓が脈を打つ動きにヒントを得て、この潮力コンバータの基本的なコンセプトを開発しま

した。心臓は膨張することで圧を蓄えた後に収縮し、また元に戻る動きを繰り返します。同様に、

同社の潮力コンバータもブイが波で持ち上げられた後に空圧システムのようなものでブイを引き

下ろして電力を得る構造です。

 

この構造によって、より小さなサイズでより大きな発電量をもつコンバータが実現できました。直径

8Mのブイであれば、およそ250キロワットの発電量が見込まれています。これは200世帯分の電力

消費を賄うのに十分な電力量です。

「潮力というもののポテンシャルを考えれば、潮力発電は地球全体の電力消費量のうち10~20%は

賄えます。」コルパワー・オーシャン社CEO、パトリック・メラー氏は大きな可能性を秘める潮力

発電を、このように説明してくれました。「潮力発電は、再生可能エネルギーの中でも最大のポテン

シャルをもっています。そのエネルギー効率は風力の5倍、そして太陽光の10倍を超えます。潮力は、

風力や太陽光よりも安定しており、先の動きが予測しやすいエネルギ ーソースでもあります。2~3

日後に海面の波がどういう状態になるか、誰でも簡単に予測できるでしょう?」

 

現在同社の潮力コンバータは、2017内に開始予定の実機を使った試験に備え、シミュレーション

テストを行っています。至上命題はブイの小型軽量化と強度耐久性の向上を両立させることです。

この解決のため、同社はありとあらゆるボルト締結部材をテストし、ブイ内部のメインフレ ームの

締結部材として選ばれたのは、スーパーボルト マルチ・ジャックボルトテンショナーでした。

スーパーボルトはナットボディ周囲の各ジャックボルトを締め込むことで大きなボルトを締結できる

ため、作業はトルクレンチ1本で、非常に小さなトルクで完了できます。また、この潮力コンバータを

20年間の使用に耐えられる構造にするため、スーパーボルトがもつ締結精度と軸力を保持する信頼性

も評価点となりました。そしてブイの基礎部分では、長期間に及ぶ可動の中で、波を繰り返し受けて

も確実に軸力を維持するため、ノルトロックワッシャーが使用されることになりました。