【採用事例】ウェッジロッキング技術によりタイヤ脱落防止、安全性の強化を実現(株式会社日輪様)

「安全」に対する追求

東京都中央区に本社を構える同社は、液体化成品専門の輸送業者として、社会貢献を目指し事業を展開しています。全国に14拠点を持ち、約500台のタンクローリーおよびISOタンクコンテナ車を保有、また、カーボンニュートラルへの取り組みの一環として、モーダルシフトを進め、JR貨物による輸送も積極的に行っています。大型車両を扱う同社が事業を展開する中で最も大切にしているのが「安全」です。
安全に対する追求を常に行う中、様々な取り組みがなされています。2023年以来、全国陸送輸送事業所14拠点でタンクローリー車両に、ノルトロックホイールナットNLWNM22×1.5を導入しています。
今回は、同社の「安全対策の取り組み」と、「ノルトロックホイールナット(NLWN)の採用」についてお話を伺いました。

タイヤ脱落対策とその課題

大型車を扱う事業者にとって、タイヤの脱落は非常に深刻な問題であり、その対策は重要かつ必須です。同社では、ISO・JIS規格を問わず、すべての車両にインジケーターを使用し、緩みを早期に発見できる環境を整備し対策を講じてきました。しかし、脱着を繰り返すことによる破損や、経年劣化による破損が発生することもあり、インジケーターは毎年交換する必要がありました。また、脱着作業自体の作業性や、タイヤの着脱時に発生する追加の作業費用負担という課題を抱えていました。

課題解決のきっかけ

そのような課題を解決するきっかけとなったのは、2022年に開催されたジャパントラックショーで日鉄物産株式会社のブースを訪れ、大型車両の脱輪防止対策についてのご相談をしたことでした。それ以前から、同社の代表取締役社長である永井元章氏は、物流ニッポン等の新聞記事で紹介されていたノルトロックのホイールナット導入事例を目にしており、その際に同製品に関する情報を得ていました。そのため、製品の効果や寿命、取り扱い時の注意点について関心を持っていました。

ノルトロックホイールナットで検証

同社の抱える課題に対する安全対策として、NLWNの導入検討が始まりました。疑問点を解決するため、独自の試験を実施することになります。
試験内容は、年間のホイール脱着(ローテーション、スタッドレスへの交換)回数を5回、車両寿命は10年、と想定し、トータル50回の脱着時のトルク変動と、ノルトロックの特長であるカム面の摩耗が起きないかを確認するものでした。


NLWN採用のポイント

ボルト締結の原理から製品機能の特徴を理解したうえで、タイヤの脱着を繰り返すというホイールナット特有の問題を解決し、また汎用工具で対応できる点もメリットでした。

作業面での懸念がありましたが、二面幅32㎜、締付トルク650Nmという共通認識を確立するための工夫として、ステッカーの貼付や、各事業部への説明を徹底することで解決しました。また、作業性に関しては従来のナットと何ら変わることがなく、問題ありませんでした。

コスト面では、作業工賃を考慮すると、NLWN導入に対する障壁は低かったと言います。インジケーター着脱には、1車両あたり30個×100円の作業コストが発生するため、製品自体の金額そのものは比較的高額ではあるものの、トータルコストの観点からはその影響は小さく、タイヤショップでの手間を考慮すると、1年に1回の交換が必要なインジケーターからの置き換えには抵抗感が少なかったそうです。

導入による効果

「採用以来緩みは発生していません。点検に関しては一目で緩みが見える様に合いマークを入れていますが、もちろんこれもズレたことはありません。」と、長峰氏は言います。当初は、脱着時にカム面が一山超える際の独特の感触にタイヤショップでは戸惑いを見せていましたが、今ではすっかり慣れたと言います。また、以前はタイヤ交換時に、インジケーターの脱着が付帯作業となっていたため、作業時間の短縮にも繋がりました。

 

 

 

 

現場での対応

同社では、NLWN導入にあたり、タイヤ交換を依頼しているタイヤショップへ事前説明し、32mmのソケットがあることを確認し作業を請け負ってもらっています。初回装着時の現場でのレクチャーは必須だと言います。組付けソケットの変更やトルク管理、初回脱着時には、ねじを切った感覚があり、不安に感じることもありますが、製品特長を理解していただき、実際に緩みがないことが確認されたため、安心して使用いただいています。

「配送中にタイヤがパンクしたことがあったのですが、ロードサービスの方にこのナットがついていることを説明すると32mmのソケットをもっていたので普通に処置をしてもらいました。」と、運輸事業本部 本部長兼鹿島事業所 所長 津田氏は言います。

またノルトロックホイールナットを装着しているトラックとそうでないトラックが混在するため、着脱時にソケットを間違えないよう、ノルトロック社支給のステッカーを貼付して見分けています。blobid7.jpg

株式会社ミナトタイヤセンター 代表取締役 秋葉氏に、実際の現場での話を伺ったところ、作業面においてはソケットの変更が付随するものの、その点以外には何も問題はないと言います。締め付けにはトルクセッターを使用して指定トルクで締結しており、従来どおりの作業で行うことができます。

「なんにも気にしなくて作業が出来る。しいて言うならエンジンオイルが塗りにくいくらいで、世の中の全部がこのナットになっちゃえばいいんですけどね。」と、秋葉氏は言います。

メーカー純正品でないため、車検についての懸念がありましたが、ディーラーとタイヤ店へ確認しNLWNを装着しても問題ないと判断されました。

 

安全対策として運用

同社では、社内でトルク管理を行い、全事業所に32㎜のソケットを購入して使用しています。荷主からの評判も良好で、安全活動の取り組みの普及に貢献しています。整備面の「教育」に加えて、「物理的に」安全を担保できる対策品として高く評価されています。

同業他社で脱輪事故が発生した際には、荷主から自主点検の依頼があり、そのタイミングでNLWNを紹介することは、荷主と輸送事業者間の信頼構築に繋がっているといいます。

同社では、NLWNは新車が納車されるタイミングで装着しており、今後も新車購入時に継続して装着を行う予定です。また、同社グループ内製造部門の株式会社サンマシでは、タンク架装時の重要部分にノルトロックワッシャーを採用した安全対策を講じています。

「各乗務員が脱輪事故の対策について興味をもってもらえた点は、安全担当者として大きな手応えを感じました。また、新しい製品が装着されることで、改めてタイヤ点検の重要性を再確認でき、社内での注目度も高まりました。」と、長峰氏は言います。

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最後に

大型車両の脱輪対策において、同社は安心・安全な製品の採用にとどまらず、導入後の社内教育にも真摯に取り組まれています。

ボルト締結のパートナーとして脱輪事故の防止を目指し、ノルトロックジャパンも引き続きサポートを行います。

 

日輪グループについて

日輪グループは「フレキシブルできめ細かなサービス」を提供するため、製造、生産部門としてサンマシ株式会社、ニチコン株式会社、タンクターミナル事業部門として姫路タンクターミナル株式会社といった液体化成品輸送関連企業を保有しています。

また最近ではシステム部門のサイテック株式会社を加え、管理業務のDX化も推進、またこれらの製造物、システムの外販も行っています。