白紙の答案から新世代カップリングボルトへ

スティーブ・ブラウンは、イギリス・マンチェスター外にある生まれ故郷の、ある企業のためにカップリングボルトに取り組むことで自身のキャリアを開始しました。 30 年後、彼は幾つかの安全性に関する問題を解決する新世代のカップリングボルトの設計を経て、生まれ故郷に戻ってきました。

「今何をすればいいか分からない時、あなたはどうしますか?」それは、経験豊富な技術者のチームが新世代の油圧式カップリングボルトの設計に着手した時の心構えです。

その結果は? スーパーボルトハイフィットです。

「私たちには最初から多くのアイデアがありましたが、次のように言いました。いいえ、私たちはその方法では行いません。それは以前に既に行われています。白紙から始めましょう」と、ノルトロックグループ、エクスパンションボルト、グローバルプロダクトマネージャーのスティーブ・ブラウンは言います。

当初の第一の目標は、ユーザーにとっての手順を容易にするだけでなく、はるかに安全にする油圧式カップリングボルトを設計することでした。

「固着したカップリングボルトを見て、取り除くために必要なものが分かったとき、関係者は頭痛とストレスを感じます。私たちは、それを軽減する解決策を本当に必要としていました」とスティーブ・ブラウンは言います。

彼と技術者の同僚は、一般的な油圧式カップリングボルトの主要な課題を十分心得ていました。その一つは、高速回転するアプリケーションではナットの厚みを超えるねじの突き出し量を確保することが難しいとのことです。

「蒸気タービンまたはガスタービンは、3,000 または 3,600 RPM で回転しているため、機械が作動しているときに何かがカップリングから突き出ている場合、途方もない量の乱気流が生じます」とスティーブ・ブラウンは言います。

従来の方法は、油圧テンショナーにかみ合わせるねじがない問題を解決するために、メインボルト自体に一時的にねじ込まれるプラーと呼ばれる、別途のボルトを使用します。当然、このねじ込まれるボルトの外径は、メインボルトよりも小さいため、その大きさに対しては高い荷重が掛けられることになります。

「私たちは、ボルトから外れ突発的な事故を引き起こすリスクがあるために従来のめねじ付きプラーを避けたいと考えていました」

その解決策は、ナットの内側ではなく外側に油圧テンショナーを取り付けることを可能にするおねじ付きのナットを設計することでした。

「スーパーボルトハイフィットはより大きな外径を持ちながら、同じ接触 断面積を持っているため、ねじの噛み合いの長さを減らすことができま す。また、必要以上のねじの噛み合い長さが確保できることで安全性に関する既存の課題を改善し、ナットに全荷重を掛けることができます」と、スティーブ・ブラウンは説明します。

彼はこの解決策に満足しているにも関わらず、その手順をさらに安全にできると感じていました。従来の方法は、スリーブの拡張と軸方向の張力という 2 つの異なる作業圧力を使用します。同じテンショナーヘッドが両方の手順で使用されます。

「私たちは、誰かが誤って間違った圧力を使用することを防止する方法を見つけたいと考えていました。そのとき、突然次のようなことが思い浮かびました。大きさが異なる 2 つのテンショニングヘッドがあったら、間違うことなく1 つの作業圧力のみを使用することが可能になるということです」

その鍵は、カップリング穴の内側でスリーブを拡張させる時にはボルタイト油圧ナットを、軸方向に荷重を掛ける時にはボルタイト油圧テンショナーを使用することでした。

ボルタイト油圧テンショナーはボルタイト油圧ナットよりも大きいため、お互いに間違って使うことができません。

つまり、設計の異なる 2 つのテンショニングヘッドにより、作業が 1 つになることから圧力を間違うことなく誰でも安全に作業することができます。

「今となっては単純なことに聞こえますが、以前にそのことを思い付いた人はいないと思います。そのアイデアを思い付いたことに満足しています。何故なら、それは手順において完全な安全性を提供するためです。誰かが誤解するようなリスクはありません」と、スティーブ・ブラウンは言います。

実際、カップリングボルトを取り外すための内部プラーやさらには注油すら必要ありません。それは、従来の方法と比較した場合、安全性の観点からもう一つの重要な改善です。アメリカ・ピッツバーグ、イギリス・ウォルソル、スイス・ザンクト・ガレンカッペルのノルトロックグループの各拠点における技術者が、プロジェクトに参加しました。

「スイスとイギリスでは多数の会議があり、スーパーボルトハイフィットの設計に関する多くの反復作業が行われました。当然ながら、コロナウイルスがそれを中止させました。私たちは、製品設計のこの最終段階に到達するために、オンライン会議での議論、計算、分析に多くの時間を費やしました」と、スティーブ・ブラウンは言います。

スティーブ・ブラウンは、最近ボルト締結に関わってから 31 年目を迎えた、オーストラリアを拠点とするイギリス人です。彼は、イギリス・マンチェスター外にある生まれ故郷の町のある企業のためにカップリングボルトに取り組むことで自身のキャリアを開始しました。

「私は元の場所に戻ってきたように感じています。私は油圧カップリングボルトを扱い始め、現在では完全な新世代のカップリングボルトの設計に関わるという栄誉を得ました。それには、かなりの達成感があります」