Boltight®油圧ナットによる水力発電設備メンテナンスの効率化
American Electric Power Company(AEP)(アメリカン・エレクトリック・パワー)は、米国オハイオ州コロンバスに本社を置く、米国最大級の電力会社です。11州にわたり約560万件のお客様へ電力を供給しています。AEPは7つの主要子会社で構成され、総延長39,000マイルを超える送電網を保有しています。これにより、米国東部およびテキサス州の送電網を支える重要な電力インフラの一翼を担っています。また、AEPの子会社であるAppalachian Power(アパラチアン・パワー)は、Federal Energy Regulatory Commission(FERC)(米国連邦エネルギー規制委員会)の認可を受け、スミスマウンテンプロジェクトを運営しています。
INTRODUCTION
1960年代に建設されたスミスマウンテンプロジェクトは、米国バージニア州のロアノーク川に位置する2つの貯水池を備えた揚水式水力発電施設です。揚水発電システムにより地域へ安定した電力を供給するとともに、地域経済の発展にも大きく貢献しています。また、2つのダムと貯水池によって約600マイルに及ぶ湖岸線と約24,000エーカーの水域が形成され、多目的に活用されています。
この揚水発電システムでは、上部貯水池であるスミスマウンテン湖に貯留された水を水車へ送り込み発電した後、下部貯水池であるリーズビル湖へ放流します。水は下部貯水池に保持され、電力需要が少ない時間帯に再びスミスマウンテン湖へ汲み上げられ、繰り返し利用されます。
この柔軟な運用により、電力需要が高い時間帯には発電を行い、需要が低い時間帯には揚水運転へ切り替えることができます。そのため、需要に応じて1日に複数回、発電と揚水を切り替えることが可能です。
スミスマウンテンダムには、総設備容量560MWの水力発電機5基が設置されています。各発電機のカップリングには36本のインターフェアランスフィット・カップリングスタッドが使用され、確実で滑りのない締結を実現しています。
しかし、設置スペースの高さに制約があるため、作業者は無理な姿勢で取り付け・取り外し作業を行わなければならず、安全性や作業性に課題がありました。また、推奨締付トルクである12,000ft-lbsを達成するためには、大型で重量のある工具を使用する必要がありました。

従来の取り付け方法
本用途の取り付け条件を検討した結果、当社のエンジニアは標準六角ナットに代わり、Boltight® Hydraulic Nut(ボルタイト油圧ナット)の採用を提案しました。ボルタイト油圧ナットは複数台を連結して同時にテンショニングできるため、カップリング内のすべてのボルトへ均一で高精度な軸力を与えることができます。
American Electric Power(AEP)(アメリカン・エレクトリック・パワー)による初回の施工は非常に順調に進み、カップリングの組立工数を120時間から40時間へと約3分の1に短縮しました。また、ボルタイト油圧ナットの採用により、重量工具の使用に伴う身体的負担も大幅に軽減されました。
製品性能、施工の容易さ、そして技術サポートが高く評価され、AEPではこの油圧ソリューションを他の発電所にも順次導入しています。

Boltight油圧ナットを使用した新しい取り付け方法
MORE ABOUT BOLTIGHT
Boltight® Hydraulic Nut(ボルタイト油圧ナット)は、標準ナットの恒久的な代替ソリューションとして最適です。長期にわたる高い信頼性を実現し、安全で安定した設備運用に貢献します。油圧ナットには内部に油圧ジャッキが組み込まれており、大径ボルトへ高い軸力を高精度に与えることができます。また、シムタイプ、トップカラータイプ、ボトムカラータイプなど各種仕様を取り揃え、お客様の用途に応じたカスタム設計にも対応しています。
製品の特長:
- 迅速かつ容易に取り付け可能
- 均一で高精度な軸力を実現
- ハンマーや大型スパナによる作業が不要
- 単独または複数台同時の締結作業に対応
- ねじ部の損傷を防止
- 疲労強度を向上
- 標準油圧テンショナーと比較して必要なスタッド突出し長さを低減
CONCLUSION
AEPが運営するスミスマウンテンダムは、電力需要のピーク時を支える揚水式水力発電施設です。同施設には総設備容量560MWの水力発電機5基が設置されており、それぞれの発電機では36本のカップリングスタッドを高精度に締結する必要があります。従来の施工方法では、限られた作業スペースと重量工具の使用により、多くの作業時間と身体的負担を伴っていました。そこでAEPは、標準六角ナットに代えてボルタイト油圧ナットを採用しました。その結果、高精度な軸力管理と均一なボルト締結を実現するとともに、組立工数を120時間から40時間へと約3分の1に短縮し、メンテナンス作業の安全性と効率向上に大きく貢献しました。