エキスパート: 非回転緩みを考える

Q: なぜ非回転緩みの問題が増えているのでしょう?

A: ボルト緩みの原因は、戻り回転を伴う「回転緩み」と、戻り回転を伴わない(合いマークではわからない)

「非回転緩み」の2種に大別されます。「非回転緩み」は金属のなじみや塑性変形、ガスケット・パッキンの

へたり等によって軸力損失が起こる現象ですが、この現象は3つに分類することができます。

即ち、なじみによる非回転緩み、時間の経過と共に起こる軸力減少(リラクゼーション)による

非回転緩み、緩やかな温度変化に起因する非回転緩み(クリープ)の3つです。

なじみは、ボルト・ナット・被締結材その他締結体に含まれる全ての部材表面にある凹凸と

その粗さに関係するもので、ボルト締結後の面圧により表面の凹凸が圧縮され、

フラットな状態に近付きます。

表面の凹凸が均一化されることで実質的に締結体の厚みが減少し、その分の軸力が減少して

しまう現象です。この際、軸力の減少幅が大きくなると、締結部が戻り回転を起こしやすくなり、

回転緩みに繋がるリスクがあります。そうなると、他のあらゆる緩み同様にボルトに直接負荷や

衝撃が伝わり、疲労破壊のリスクが高まってしまいます。

 

リラクゼーションと呼ばれる時間経過に伴う軸力の減少は、締結体が時間の経過と共に

締結の圧力で塑性変形を起こすことから起こるもので、一度軸力が抜けてしまうと、「回転緩み」

の発生にも繋がり、更に軸力が低下してしまう恐れがあります。ポリマーや複合材料、銅、

軟金属等に起こりやすい現象です。

 

クリープは、リラクゼーション同様に塑性変形によって起こる現象ですが、材料の応力強さ以下の

ものであっても高い負荷を長期間に渡って受け続けた場合や、材料の再結晶点に近い温度に

晒された場合、それほどの高温でなくとも周辺環境の温度が上がった場合に発生するものです。

 

近年、「非回転緩み」の問題が徐々に深刻化している理由は、多くの製品に軽量化が求められ、

より軽い材料が締結体に用いられるようになった材料面の背景と、技術の高度化によって

一層の高温・高荷重の極限状態に使用されることが増えているという環境面の背景があります。

ノルトロックでは、こうした設計思想の変化は時代の流れに伴って、起こるべくして起こっている

変化であると考え、世界で唯一回転緩みと非回転緩みに同時に対応する「Xシリーズワッシャー」を

開発・発表しました。

 

「Xシリーズワッシャー」は、ノルトロックワッシャーがもつ回転緩みを物理的に起こせない状態を

作るウェッジロッキング機構と、非回転緩みに対応する皿ばね構造を併せ持った非常に特殊で

高機能な緩み止め製品です。これまで設計者は、「回転緩み」と「非回転緩み」の両方のリスクに

直面した場合、より高リスクと思われる一方だけにフォーカスせざるを得なかったり、複数の

緩み対策を行うことで作業者の作業効率を犠牲にする必要がありました。しかし、Xシリーズ

ワッシャーが適用できれば、設計者はもう、そのような次元で悩む必要はなくなるのです。

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