石油精製プラントにおける高圧フランジ締結の信頼性向上

イラクのバスラ製油所は、1970年代初頭に操業を開始した同国の石油精製インフラを支える重要な施設です。当初は日量約17万バレル(bpd)の処理能力で設計されましたが、戦争による被害や設備の老朽化により、生産能力は低下しました。現在は約21万バレル(bpd)の処理能力で操業しています。現在進められているBasrah Refinery Upgrading Project(バスラ製油所アップグレードプロジェクト)では、既存設備に隣接する新規設備の建設に加え、既存のフランジ締結部の更新が行われています。これにより、イラクの石油生産能力の向上と長期的な運転安全性の確保を図るとともに、ガソリン・ディーゼル燃料の生産量および品質の向上、さらに製油所全体の運転効率向上を目指しています。

INTRODUCTION

高圧環境で使用される大径金属フランジの高精度なボルト締結を実現するため、Boltight®(ボルタイト)のエンジニアが技術支援を行いました。本プロジェクトでは、厳格な技術要件への対応に加え、現地におけるボルト締結技術の不足や、イラク石油省、EPCコントラクターであるJGC-Hyundai Engineering & Construction Consortium、および複数のサブコントラクターとの綿密な調整が必要となるなど、多くの課題がありました。

ボルタイトは、高性能な機器の提供に加え、現場に最適化したトレーニングと専門的な技術サポートを通じて、本プロジェクトの成功に大きく貢献しました。技術要件に対応するため、T-Series(Tシリーズ)の標準油圧ボルトテンショナー(1インチ~2½インチ)、油圧ホース、エア駆動ポンプを供給しました。また、ボルト締結の基本原理や安全対策に関する座学と、44インチNPSフランジを使用した実践的なトレーニングを組み合わせた現地教育も実施しました。さらに、Flange Management System(FMS)(フランジマネジメントシステム)のレビュー、テンショニング手順書の作成、荷重計算など、包括的な技術サポートも提供しました。

ボルタイトのエンジニアは、不正確だった荷重計算を見直し、フランジに必要な残留荷重とテンショニング時に加える最適な荷重を算出することで、高い施工精度と作業効率を実現しました。また、関係者間のコミュニケーションを円滑化することで工程の遅延を防ぎ、プロジェクトを円滑に進めることにも貢献しました。

 

MORE ABOUT BOLTIGHT

Boltight®(ボルタイト)標準油圧ボルトテンショナーは、大径ボルトに対して高く正確な軸力を、安全かつ迅速に与えることができる油圧ボルトテンショニングソリューションです。耐摩耗性・耐腐食性に優れた表面処理を施すとともに、締結部の芯ずれを補正する内部機構を備えています。

 

製品の特長:

  • 取り付け・取り外しが容易
  • 窒化処理を施したコンポーネントにより優れた耐久性を実現
  • 複数のツールを連結して使用することで、作業時間を短縮するとともに、均一なフランジ締結を実現

 

ノルトロックグループでは、販売代理店およびエンドユーザーが製品を最大限に活用できるよう、充実した技術トレーニングも提供しています。ボルタイトの技術者は、理論と実技を組み合わせた実践的なトレーニングを実施し、軸力の基礎理論や油圧テンショナーの作動原理に加え、テンショナーの取り付け・加圧・テンショニング方法、さらに将来的な用途に応じたトラブルシューティングについても指導しました。

 

CONCLUSION

バスラ製油所では、ガソリン・ディーゼル燃料の生産能力向上、燃料品質の改善、そして長期的な運転安全性の確保を目的とした大規模な設備更新が進められています。ボルタイトは、高圧フランジの高精度なボルト締結を通じて、本プロジェクトにおいて重要な役割を果たしました。厳格な技術基準への対応、現地におけるボルト締結技術の不足、さらには多くの関係機関や施工会社との調整といった課題を克服し、プロジェクトの円滑な遂行に大きく貢献しました。