極限環境から得られるもの

日野自動車は、「世界一過酷なレース」と呼ばれるダカールラリーに毎年参戦している日本の自動車メーカーで、驚いたことに、6人中4人のメカニックは毎年、全国の日野自動車販売会社より公募選抜されたメカニックに入れ替えられます。レースに勝つためには、経験豊富なメンバーで臨む方が良い結果が期待できそうに思えますが、日野はなぜメカニックを毎年入れ替えてしまうのでしょうか?その理由は、日野自動車という企業が考える顧客サービスにありました。

ダカールラリーに参加する「日野チームスガワラ」のチーム代表であり日本レーシングマネージメントの会長である菅原義正氏は、ダカールラリーに参加する意義を、単なる企業の宣伝に留まらず、そこから学び取れる多くのことを顧客が使用する一般車の整備やサービスに活かすことこそが、最終的に日野自動車の利益になると考えています。

私たちノルトロックの製品は、最も過酷な振動に晒されるホイール部を始め、ショックアブソーバーやプロペラシャフトなど、計20以上の締結箇所に使用されています。ノルトロックワッシャーホイールナットは、勿論ゆるみ止め製品として非常に高い水準を持っているものの、レース前後の1か月間に渡って連日過酷な環境に置かれ、本当に緩むことがなかったのでしょうか?私は今年度2016年のダカールラリーに帯同したメカニックにインタビューする機会を得ることができました。その質問をぶつけてみると、メカニックの面々から、ノルトロックに緩みが発生したことはなかったこと、更には「自分の車にもつけちゃいましたね。」と笑顔で答えてくれ、私たちは感激を覚えました。

工場や倉庫ではなく屋外で、しかも日本では考えられない環境下で、毎日の整備に当たるダカールラリーのメカニックにとって、整備に要する時間は大切です。実際に修理や整備のために夜を徹した作業になることも珍しくなく、その中で「増し締め」の作業時間をゼロにしたノルトロックは安全性だけでなく作業時間の確保にも貢献したことになります。ダカールラリーに出たいから日野に入社したという彼らは、大きな檜舞台を経験し「夢が叶った今は、後輩の目標達成もサポートして行きたい」「どんなことでも諦めなくなった」「大きなことを達成した自信と責任を感じるようになった」と、子供のように目を輝かせて語ってくれました。私たちは今年もまた、彼らをサポートできることを誇りに感じています。

 

足回り、ショックアブソーバー部分のノルトロック使用箇所。ダカールラリー期間中も緩むことはなかった。

 

 

 

 

 

 

実際に使用されたXシリーズワッシャー。戻り回転を伴わない(合いマークがズレない)非回転緩みと通常の回転緩みを同時に防止する世界唯一の製品。

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FACTS

顧客:日野自動車株式会社、日本レーシングマネージメント株式会社(日野チームスガワラ)
プロジェクト:ダカールラリー
開催期間:14日間
総走行距離:9,332KM
期間中最高気温:45℃以上
製品:日野レンジャー(競技車両)
採用製品:ノルトロックワッシャー、Xシリーズワッシャー、ノルトロックホイールナット

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