Customized washers keep KTM in the race

世界界規模のバイクレースを観ると、並み居るトップメーカーのバイクの中に、必ずヨーロッパ最大のバイクメーカーであるKTM製のオレンジ色のバイクがあるはずです。モータースポーツに熱狂的なイタリアと、研究開発の先進国であるドイツの両国にほど近い、オーストリアのマティホーフェンに本社を置くKTM社は両国からの影響を色濃く受けながら、同社のスローガンである「ネバーギブアップ」の精神をそこに融合させて来ました。ある年KTMは、ダカールラリーの完走を果たせず、2001年から続くダカールラリーの10大会連続走破に失敗してしまいます。まさしく逆境の時です。

KTMはギアシフトレバーの固定に、クランピングの代わりにボルト留めを採用している唯一のメーカーであり、ボルト留めを採用することでメンテナンスを容易にしています。しかし、円錐状のギアシフトレバーとシフターシャフトを固定するボルト締結部は、ノルトロック採用以前のモデルでは強度面での弱点となっていました。以前に採用されていたヘビーワッシャーと呼ばれる重量のあるワッシャーでは、ライダーがジャンプ後に着地する際、その足を支えるギアシフトレバー部の荷重に耐えられず、緩みが発生していたのです。

そこでノルトロックワッシャーの採用が検討されましたが、一つ問題がありました。標準品のノルトロックワッシャーでは外径サイズと厚みが締結部の構成に合わなかったのです。この問題を解決すべく、ノルトロックは幅広タイプ・M6サイズのワッシャー外径を13.5mmから16.6mmにカスタマイズし、確実にウェッジロッキングが機能するか検証試験を行う等の技術的ハードルを全てクリアし、対応することができました。以降、それから2年が経った現在も、KTM製バイクのギアシフトレバーは、ただの一度も締結部の不具合を起こすことなく世界中を走り続けています。

ノルトロックで締結されたKTM製バイク

ノルトロックワッシャーはKTM製のバイク全モデルで採用されています。同社は30年に渡ってノルトロックを使用し、マフラーカバーやスタンド、そして最も重要なギアシフトレバーにまで使用箇所を徐々に拡大しています。

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FACTS

顧客:KTM・スポーツモーターサイクル社
生産台数:年間およそ160,000台 
獲得世界タイトル数:270
企業規模:従業員数2,900人、年商10億ユーロ(1,200億円強)
最上位モデル:KTM 1290 SUPERDUKE R『ザ・ビースト』(177馬力・排気量1,301CC、最大トルク144NM、車体重量189KG)
採用製品:ノルトロックワッシャーM6・M8および特注品
採用箇所:マフラーカバー、スタンド、ギアシフトレバー
製品モデル数:45モデル

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