GETTING SMART WITH SUPERBOLT

世界初、そして唯一の「機械式」ボルトテンショナーであるスーパーボルトは、M100を超えるような大径ボルトであっても驚異的な軸力精度で簡単に締結が行える。この製品技術を更なる高みへ押し上げるべく、ノルトロックグループはその軸力をモニタリングできるスマート・プロダクトとして「ロードセンシング・テンショナー(LST)」を開発した。デジタル技術を用いてボルトの軸力を可視化し、継続的に監視できるのだ。

かつてスーパーボルトは、人間の力で締め込むことができない大径ボルトの締結/取外し作業に革命的な進歩をもたらした。ナットボディに配置されたジャックボルトと呼ばれる小さなねじを手工具や電動工具で締め付けるだけで、トルク管理さえ行えばトルクによる締付の3倍以上にも及ぶ驚異的な軸力精度で締結が行えるようにしたのだ。作業者にとっては誰でも簡単・迅速に大径ボルトが締結・取外しでき、作業に事故リスクも伴わない。誰が作業しても同じ精度が得られる再現性は、設計者のメリットにもなるだろう。

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そのスーパーボルトを過去に類を見ない方向性で進化させた背景を、ノルトロックグループのグローバル・プロダクトマネージャーであるスティーブ・ブサラキは語る。「スーパーボルトは我々独自の技術で、これまで世界中で、数多くのお客様の難題を解決して来ました。ですが、どんな製品も完璧ではありません。お客様に更なるメリットをもたらす改善の余地は、常にあるものだからです。軸力を正確にモニタリングできる機能は、その一例というわけです。」

IoTと呼ばれるスマートテクノロジー。ノルトロックグループはスーパーボルトにそれを付加し、現場の作業者に何ら複雑な作業や操作を求めない形で製品化に成功した。軸力を監視する技術はこれまでにも種々存在していたものの、既設のボルトやスタッドを加工したり、構成部品をそっくりそのために入れ替える必要があり、時間もコストもかかってしまうのが実情だった。

ナットボディ外径の広がりで軸力を測定

ノルトロックグループはフランスのリヨン、そしてスイスのサン・ガレンカペルのテクニカルセンターにおいて、「現場で本当に使えるもの」であることをテーマに、最良の軸力監視方法はどのようなものか、いくつもの試行錯誤と検証試験を重ねて来た。そんな中、後に決定的となる“ある問い”が生まれた。「スーパーボルト特有のフレックスイン・フレックスアウト効果を軸力値と関連付けることはできないか?」というものだ。

フレックスイン・フレックスアウト効果とは、スーパーボルト固有の特徴の1つで、ジャックボルトを締め付けることでナットボディ上部が内側に狭まり、逆にナットボディ下部が外側に広がる現象を指す。すぐに検証に取り掛かった開発チームは、ナットボディの広がりと発生した軸力の関係性は、グラフ上で直線を描くことを発見した。ジャックボルトの締付によって得られる軸力が2倍になると、ナットボディの広がりも2倍になるのだ!

ノルトロックグループの事業開発部門でスマートプロダクツ&サービスを担当するピエール・ケルナーに、ロードセンシング・テンショナーの仕組みを聞いた。「LSTの軸力監視技術は、スーパーボルトに戦略的に配置された歪みゲージセンサーを利用しています。センサーに電圧を与え、ナットボディが広がると、その抵抗力は増加します。反対にナットボディが狭まると、抵抗力は低くなります。この測定データを計算することで、ナットボディの広がりを軸力のkN(キロニュートン)に換算できます。いよいよ軸力が監視できるぞ、ということになったんです。」

いつでも、どこでもモニターしたデータにアクセス

スーパーボルトに配置された各センサーはワイヤレスで接続され、手元の端末に軸力値を表示させながら作業を行うことも、離れた場所からノルトロックグループのポータルサイトを利用し、クラウド上で軸力データを確認することもできる。
これこそまさに、IIoT(工業製品のインターネット)と呼べるものだろう。測定データはマイクロソフトのA z u r eと呼ばれるプラットフォーム上で、IoT-hub、そしてStream Analyticsというアプリケーションによって集積され、解析される。軸力が基準値を下回ることがあれば、通知が送信されるような設定も簡単に行える。
スティーブ・ブサラキは雄弁だ。

軸力管理がこれほど簡単になるのです。特に重要な締結部において、これは革命的でしょう。

「ガスケットを挟んだ配管フランジの締結部を想像してみてください。この手の環境では、経年劣化によるガスケットのへたり、それに伴うボルトの軸力損失(非回転緩み)による気密性の低下リスクがあり、何が起こるか予測がつかない部分があります。しかし軸力監視ができれば、何かが起こる前にボルトを増し締めしたりガスケットを交換することができ、長期的にも非常に大きなメリットがあります。」

一つ一つの締結から懸念を払拭する技術

ロードセンシング・テンショナー(LST)の技術により、ユーザーはスーパーボルトが想定通りの軸力で締結できているかを常にモニターすることができる。これは文字通り、締結に関する懸念を払拭するものだ。これまでも、スーパーボルトは正確な軸力を得るためのジャックボルトの締付トルク値を顧客に提供して来たが、それでもヒューマンエラーをゼロにする保証にはならない。

センサーを使用して軸力監視を行うLSTの製品技術は、実際の軸力値を確認しながら締付作業を行うことを可能とし、作業者は自身の作業が基準通り正確に完了したことがその場で確認できる。また、損害保険等に加入している設備機器のオーナーも、事故リスクが想定通り管理されていることを把握し、安心することができる。

スーパーボルトLSTという製品は、ノルトロックグループにとって、本格的なスマート・プロダクト開発への扉を開く転換点となる。既に世界的に評価と信頼を得ている既存の製品を、これまで以上に実用的で革新的なものに変貌させ得るこうした技術は、顧客にも大きなメリットをもたらすはずだ。LSTに続き、既にいくつかの製品のスマート化プロジェクトを進めているノルトロックグループは、未来のボルト締結が「よりスマートな」ものとなることを確信している。

スマート・プロダクトとは?

スマート・プロダクトとは、その製品にとって重要なデータを収集し、クラウド上のデータベース等に送信・集積するために既存の技術にデジタル・テクノロジーを付加したものだ。収集可能なデータは位置情報の追跡、状態監視、あるいは不具合発生の予兆となる特定の事象を検出することまで様々だ。スマート・プロダクトは、いわゆるIoTの1つで、日々の状態監視や情報の追跡を遠隔で行うためにインターネットの技術を用いるものをいう。

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